
古今を在るべき姿に正す者だったと云う。
ある所では悪と称された存在ではあるが、私にとってはお伽噺の勇者のようだった。
ただ、成り行きで異変を終わらせてきた自分とは違う。
いつ如何なる時であれ、等しく立つもの。
ただのお伽噺だけれど、少し羨ましくも感じていた。
そんな中、眼前に佇む黒色の衣を纏う男性が、一つの提案を持ち掛けて来た。
「叙事詩の続き、その真相を聞きたくはないか?」
こういう美味しい話には裏がある、例えばそう、対価だ。
「で、私は何を差し出せばいいのよ、生憎と贅沢なご身分じゃないわよ」
「あるじゃないか、そこに、君は今までその石から声を聞いていたのではないか?」
図星だ、蛇の眼を彷彿とさせる意匠で模られた石の様な物を指し、男は確信付いた目付きで言い放っていた。
「これ?嫌よ、こいつを差し出したら元も子もないじゃない」
「ああ失敬、言葉足らずだったな、それは後に返す、今だけ必要な理由がある」
「…理由は?」
「表層しか語れん、だがお礼を先払いする事にしよう、まずそいつの名はカコダイトだ、次に…」
「なんで知って…!あー!わかった、わかったわ、条件は分かったから順番に聞かせて頂戴」
「であれば20のセフィラとクリファから形成される守護者達の話からだな、奴らは――」
話によると、私達の先祖のさらに先祖、彼女らは戦う事で文化を御こし、謀(はかりごと)を進めていたらしい。
それは聞けば聞くほど幻想郷の基盤となったスペルカードの誓約に近いものだと感じた、ただ一つを除いては。
要するにこのお伽噺は事実上、数千年以上を掛けた「史上類を見ない規模の異変」となる。
Title
Chapter 0i - Twilight
Original
東方妖恋談
少女綺想曲 〜 Dream Battle
by 上海アリス幻樂団
Illustration & Scriptwriting by 中野なのか
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Pixiv
Remix & Video Editing by 蒼井しあ
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booth:
niconico:
この動画は東方Projectの二次創作作品です。
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